どうも、総論系の話が好きなのかなぁ・・わし・・
さて、オペレートしていて非常につらいのが、ピークメーターは振るが音の来ない楽器や声・・
つまり、発生エネルギー総量は大きいのに聴感上の有効な楽音になってない・・という場合ね・・
典型的な遠鳴りのしない音でもある。
概して名人級の演奏家になるとチューニングのためポン!と音出しをしただけで周りの人間が皆そちらを振り向くようなすごい音を(音量が大きいという意味ではない・・心引きつけられる音と言うこと)出す方がいる。
こういう方を録音したり拡声したりすると、メーターの振れが穏やかで、聴感とメーターに差異が少ない・・
つまり、無駄なエネルギーは全然出していないわけだ・・
我々はこの状態をマイク乗りがよいと言う。
例えばオーバーヘッド一本で全部録れてしまうドラマーとか・・
コンデンサーだろうがダイナミックだろうが、こういう方は見事に音を乗せてくる。
逆にマイク乗りの悪い演奏家の場合、近くではうるさく、そして遠くでは聞こえない・・
またがんがんピークを打つのにミックスすると埋もれてしまう・・音量感もない・・と言う現象になる。
まぁ、だからといって泣き言をミュージシャンに言うわけにはいかないので、ワザとトランジェントの悪目のマイクや、コンプなどを駆使して普通に聞こえるように納めていくんだけどね・・
さて、このメートー読みと聴感音量を如何に近づけていくか・・と言うあたりに、収まりの良いミックスのための秘訣がいくつも隠れている。
各楽器とその演奏家によってピーク成分の出方がまったく違う。
このピークを馬鹿正直に再生すればよいというものではない。
アンプもスピーカーも飛ばしやすいし、そのピークのためにほかの楽器まで歪んでしまうことだってある。
よってこのピークを如何に処理するか・・それが聴感上自然で、しかも収まりをよくするためにはどうするか・・ここにマイクアレンジやヘッドアンプの選定、コンプの選定の大事さが出てくる。
ちなみに言うと人間の耳に聞こえないピークは一切が無駄である!と割り切ると資源の節約になる。
アンプもスピーカーもミキサーもすべてが聞こえている成分に対応できればいいからね・・
ところが聞こえないピークにまで追従しなければならないとなるとエネルギーを無駄に消費し、かつ膨大な機材を準備しなければならない・・
そして、往々にしてそのピークは楽音でない部分で出ることが多い・・ピックをこする音とか・・これは演奏者からすると一番聞かせたくない部分の一つ・・へたくそに聞こえるからね・・
でも、オーディオ系のエンジニアは往々にしてこれを強調してHiFiだ!となりがち・・
気をつけたい部分だな・・
とまぁ、メーターを観察していても結構いろいろな情報が得られるので、是非注目して欲しい・・(こればかり見ていて舞台を見ないようでは本末転倒だけれど・・)
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