その昔、小屋にろくな機材がなくて、やむなく某社の民生ミキサーを補助ミキサーとして使っていた頃・・
当時の機材の電源プラグはグランド端子のないものだった。
時間に余裕のなかったあるイベント、手っ取り早くセッティングを終えリハでオペレートしていると、時々掌にぴりぴりする感触・・
「ん?アルミの切り子でも刺さったかな?」と最初は思ったさ・・
ところが、トップパネル上はともかく、ねじ部分に触ると来るのよね・・
あれ?っと思ってテスターを持ち出して対地電位を測ったら・・ありましたねぇ・・70V強・・
あっちゃ~!・・と、リハをポーズして大至急電源の反転作業・・
ミキサー室側と客席内に接地したミキサーの電位とが反転して、しかもグランドと遠い側がシャーシーに来てしまったのだな・・
ここらへん、日本の電力政策との絡みもあるしなかなか難しいのだけれど、そもそも100Vだから電源が反転しても大したことはないだろうとシャーシーグランドを別設計でつけさせず、極性もわかりにくくした日本の電力規格が良くないんだけど・・
通称平行コンセントと言っている日本の一般的な電源コンセント。
少なくとも壁付けのものは細くて長い奴と、太くて短い奴の組み合わせだって知ってます?(プロで知らなきゃ大変!)
これの細くて長い方が接地側、太くて短い方が高圧側なのさ・・
んで、これに正しい方向でコンセントが挿せていると機材のシャーシー(ケース)にはほとんど電気が来ない。
が、逆に挿すと数十ボルトくらい来る場合がある。
これはグランドの位相と、シャーシーグランドの位相とが反転することで起こるのだけれど、これをきっちり合わせておかないと、先ほどのような感電、そうでなくてもノイズ、一見分からなくてもエネルギーを無駄に消費してパワー感が抜けたりする。
特に弾き語りの場合、ギターアンプとPA系のボーカルマイクとで相のずれによる感電事故も発生している。(ユーライア・ヒープのベーシスト、ゲイリー・セインがこれで吹っ飛んだ事件(のち死亡)は有名。
また、困ったことにコンセント自体が逆だったりすることもあるのよね・・田舎の公民館あたりのホールだと真っ先にこれのチェックを行ったりするのよね・・
まぁ・・グランドがあってないと感電しないまでも、卓が燃えた・・なんて事件もあったし、十分に注意しなければならないね・・
具体的チェック法は次回・・
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