2014年10月8日水曜日

マイク選定の考え方

現場で仕事をし、またそのプランを考える際に結構頭を悩ませるのがマイクプラン。
もちろん仕事の評価にも直結し、いろいろなストレスをもたらしたり軽減したりする。

基本的にはレコーディング現場なのか、SR現場なのかでも選定基準は大幅に変る。

まぁSRでオーバーヘッド、ハット、ピアノには451だとか、タムには421だとかという定番マイクは確かに存在する。
これは少なくともミュージシャンやクライアントからの苦情は出にくい。

また、諸先輩が多くの苦労と実践を重ねた結果としての定番なので、文句無くいつも聞いている音を作りやすい。

多くの事例の中でも面白いと思った事例に一つに、全てのマイクを57で統一・・と言うものがあった。

これは、長いツアーの間中、タフに稼動してくれること、そしてそれでもトラブった場合でもいくらでも現地から借り出せること、音の癖、使い勝手が十二分に知れ渡っていてどの楽器でもそれなり以上に対応できること、と基準としたとあった。
これはこれで現場の安定度を重視した素晴らしいプランである。

でも・・金物ではコンデンサーがあると楽だな・・とは思うよね・・
近年開発された安価で高性能なマイクは結構、コンデンサーに匹敵するほど広域の伸びたものもある・・けど、ダイナミックらしさもちょっと薄くなるなぁ・・

さて、管理人が経験のないマイクを使わなければいけないとしたらどのように判断するか・・

求める楽器の波面の半径を考える。
大型の楽器はその共振面の大きさから発生する音の波の波面が大きな半径を作っている・・ないしは平面波に近いと考えるのだ・・
これをある程度以上のオンマイクでとらえようとすると、波面と振動版の相対角度が一致すること、そのエネルギーを充分に受け止める振動版の大きさを持っていること・・で判断する。
小型の楽器あるいは弦楽器のようなものは大型振動版では振動板径の中で逆相部が出来やすい・・と言える。よってこの場合は振動板径が小さめの方が対処しやすい。

そして振動板の動きやすさは、コンデンサーの方がヴォイスコイルを持たない分有利・・よって楽器自体のエネルギー総量の大きくないものにより適合する・・

などとまぁ細かく言い出すときりがないのだけれど、要は楽器の大きさと性質から音の出方をイメージするわけだ・・
それを充分に拾うにはどういうマイクが似合うかを考える。

もちろん、最終的には耳で判断するのは言うまでも無いんだけど、どうも合わない・・と感じたときにそういうイメージ力を持っているかどうかで大きく違ってくると思う。

さて、ついでにもう一つ。
タムによく421が使われる理由。
正面特性はもちろんのこと、サイドからの音に対しても57に比べ色付けが少ない・・これは隣からのかぶりに対処するときに非常に助かる。
つまり、かぶりの音が使い物に成らないので、とにかくカットしなくては・・と神経質にならなくとも良い・・という、メリット。

だから、普段マイクのチェックをするときにサイドからの音もチェックする癖をつけましょう。

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