2014年10月8日水曜日

クロックシンクの真実

 さて、否も応もなくデジタル機材は増えてくる。ここに好き嫌いの余地は無いよね・・

 筆者お得意のディレイを駆使したオペレートをするにはデジタル技術の恩恵無しには、為しえないし・・

 さて、SPD/IFの場合はその信号自体からクロックを生成する規格ではあるが、それでも精度の高いクロックを利用できるに越したことは無い。
 また、AES/EBU規格では正式に外部クロックが利用できる。

 そのクロック・・これ自体の規格は通常カタログ等には

 BNCアンバランス/5.0Vp-p/75Ω/矩形波

 と記載されている。

 皆さんなんとも思わないで、「へ~!」とBNC接栓を購入してきて75Ωのケーブルで作ったりしているのではないかな?

 で、この規格・・なんでこういう規格が選ばれたのか・・そのルーツを探ると意外な所にぶちあたるのだ・・

 このデジタル伝送の規格がまとめられた頃は20年ほど前の話で、ちょうどネットワークの興隆期にあたる。
 LAN規格が10Mが高速で、内臓HDを使うより、ネットワークを使った方が早いぞ!などと言われていた頃だ・・
 初期のLANの規格には3方式が有った。

 10BASE/5、10BASE/2、10BASE/Tである。

 10BASE/Tは今主流の100BASE/Tや1000BASE/Tにも通じており、ハブを介したスター結線と呼ばれる結線を可能にしたもの。これは当時はハブが高価なのと、ハブから先は100m程度の延長しかできなかったことから、部署内のLANなどに多用された。

 100BASE/5はイエローネットなどとも呼ばれ、黄色い太い同軸ケーブルでビルを貫通する基幹として使われた。こちらはバス型のネットワークで、ケーブルの外から心線まで届くように針状のものをねじ込むツールでバスに分岐をぶら下げるスタイル。
 ケーブルが太いので、部屋の中では邪魔だった記憶がある。
 もちろん延長距離を長くとれ、減衰も少なかったので基幹に使われたわけだ。
 接続にはアンテナ線用の太い捻じ込みの同軸プラグが用いられていた。

 さて、10BASE/2である。
 こちらは細目の同軸ケーブルを使い、BNC接栓で接続されていた。
 これもバス型の接続なのだが、ディジーチェーン形式でつながれた。

 で、具体的にはBNCのT型接栓の下脚部分をネットワーク機材に接続し、両手部分をディジーチェーンの接続に使う。

 T┬ーーーー┬ーーーー┬T
 機器   機器   機器

 と、こういう形だな・・等幅フォントで見てね・・
 で、端のTはなんぞや?と思った人!貴方は観察が鋭い。

 これはターミネーター・・(加州知事のことではない・・)、終端抵抗器と言う奴だ。当然75Ω。

 これが正しい10BASE/2の接続法。

 この規格、構成部材を入手しやすいと言うことで採用された。T接栓が入手しやすいかどうかは疑問だが、いずれネットワーク専門の店に行くと容易に入手できる。

 この時期、この容易に入手できる・・と言う点が重視され、巷間溢れていたこの規格をそっくりそのままデジタルクロックに流用した・・というのが正解らしい。

 う~ん・・ということはだ・・正しくはT型接栓を用い、終端抵抗をきちんと付けないといけない・・というのが公式の接続方法。いくらクロックジェネが高性能でも、接続で反射を発生していては処置がない・・ということだな・・

 が、デジタルの不可解さ・・SCSIの時もそうだったが、正しく繋いだから、正しく動くとも限らない・・と言うあたりが悩ましい所で、結局うまく動けばそれが正解・・
 なんじゃそれ!?

 と、役に立つかどうかは分からないが、クロック回りで不安定さに悩まされたときは王道としての、正しい接続法を知っているに限ると思う。

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