2014年10月8日水曜日

ボーカルマスター修理顛末記

さて、先の記事にも書いたFBSR会で、58のルーツを探るならこれは欠かせないだろうということで、標記のボーカルマスター・・たまさか管理人の所に長期無償貸与品があったので、ミキサーの修理当日、青森から応援兼冷やかしで来たK氏と動作チェックをすることにした。

一通りセッティングしてさぁ電源投入!

「シ~~~ン・・」

あれ?こいつって普通「バスッ!」とか言ったよなぁ・・と思い出しつつ、K氏とあれこれチェック。

背面に赤いランプはついているし、電源は来ているんだよなぁ・・とあれこれチェックするも音はでず。

で、蓋を開け中身をチェックすることに・・

で、一見してセラミックコンデンサーとおぼしきパーツが割れケーブルも焦げた跡がある・・

まぁ、セラミックならパスコンだろうと適当に耐圧をカバーできそうなものを在庫から引っ張り出して来て修理。

でもやっぱり鳴らない・・うんともスンとも・・

トランジスタアンプの初期のものだしノイズが結構出ていたはずだよな・といくら耳を澄ましても全く出やしない・・

で、今度は電源回りから電圧をあたったら何とブリッジの所に全く電圧が出ていない・・
ありゃりゃ・・熱が掛かったような痕跡もあるしトランスかなと修復を断念。
スピーカーだけをまずサルベージすることに。

手持ちのアムクロンをつなぎ、音を出し始めたんだけど、ユニットは全品OK・・が、なんともしょぼい音・・まぁ40年以上前の機種だし・・としばらく音をしだしていたらだんだん音が良くなってきた。

そう、エージングされて動作が回復してきたのね・・

流石にサブロー帯域の含まれたソースなどは厳しいんだけど、意外や意外・・
で、当時の音に近いものということで日本武道館では正式にモニターとして使われたこと出しとパープル(もどきの王様)のハイウェイスターをエージングに使ってみた。

最初はドラムがしょぼかった・・
これはアレイスピーカーの動作タイミングがまだ合いきっていないからかなと・・更にエージングを続けたらこれまたどんどん改善してきた。

んで、最後はフロイドの狂気を一通り鳴らしてエージングは終了。

これは青森経由で喜多方へ向かうことに・・

さて問題はミキサーとアンプ。

これはセットでベストの特性になるようにとチューニングされているとのことで、やはりヘッド無しでは検証にならない・・

回路図を探し、本国のサイトにマニュアルがあることが判明。
また、当時のカタログにも回路図があることが判明。これにより出荷先の国毎の違いも分かるはず・・

とはいっても修理パーツも調達できるかどうか・・と、苦慮した・・

で、管理人はとうとうもともとの持ち主、つまり無償貸与元である、秋田市のパーツ販売業者さんの社長に相談してみることに・・

電話した所、3セットあるうちの最も程度の良いものだったはずとのこと・・
で、持ってくれば見てあげるよと言うことで、早速持っていったのね・・

説明してよろしくと言って帰ってきてからマニュアルの回路図を良く眺めていたら・・

我々がセラミックコンと思い込んでいたパーツ。
パワートランジスタのヒートシンクの裏に着いているパーツと接続されていたことは覚えている。

回路を見たら・・あ~ん!こりゃ電源のサーモスタットと温度ヒューズかい!
ならこれがオープンになると言うことはトランスの一時側がカットされていると言うこと・・つまり全く動作しないと言うことだな・・
で、いくらご丁寧にセラミックコンを付けてもこりゃ電源はこねぇわ・・

で、背面に着いていたランプはサーモスタットが働いたり、温度ヒューズが切れたときに点灯するサーモオーバーロードのネオン管だったのだ・・

で、即座にパーツ店の社長に連絡したら、兆度それに気付いて修理している所との話。

まぁ無事研修会ではこれを使えそうだなとホッとしたことでした。

いやぁそれにしてもトランジスタアンプでラグ配線ってすごいなぁ・・真空管モデルもあったはずなのでその名残だな・・

これにて58開発当時のPA環境と最新のスピーチ用ラインアレーの比較も出きると言うもんだ。

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