前回、ダンピングファクターの話をした・・
で、ちょっちカーオーディオの話もした・・
このカーオーディオ・・オーディオの世界ではちょっと毛色が違っている・・
そもそも強大な騒音の中で音楽を聴こうなどという無謀な世界なので、一般的なオーディオの常識(もちろん業務用も含め)とは違った常識が多い・・
さて、前回バッテリー動作のアンプゆえトランジスタの動作電圧が低くしか取れず、インピーダンスの高いスピーカーでは出力を稼ぎにくいことから、4Ωという普通のオーディオ用スピーカーに比べ低いインピーダンスのスピーカーが一般化した・・と書いた・・(文面自体は違うけど・・)
なんでこんなことが起こるのか?
例によって知っている人は笑い飛ばしてね・・
出力何ワット・・というときのワットとは電力・・特にアンプの場合出力側の供給可能最大電力を言う。
んで、電力とは
W=EI
という計算式で通常知られている。まぁ電圧×電流だよ・・ということ。
電圧と電流、どちらを多くしても出力は上がる。
さて、電圧は
E=IR
という計算式で表現される。電気をかじった人間なら真っ先に習う式である。
この計算式・・現場に応用しようとするとなかなかに奥が深い・・
┌───┐
V │
│ RL
Ri │
└───┘
上記の簡単な回路図・・色々置き換えて応用できる。電池と豆電球でもアンプとスピーカーでもいいのだな・・
この場合、全角大文字のブイが電圧源と業界では称される。まぁ理想的な電圧供給源・・ということはこの世には無い・・ということだ・・なにせ理想的ですから・・
で、現実にはないので仕方なく現実世界にある電池とかアンプとか諸々の電圧を発生するものに起こる現象を説明するため内部抵抗(図ではRi)というものを考える。
まぁ、通常は無視していいくらいなんだが、この電圧源を使って何か仕事をさせたいわけで・・そこには負荷が接続されることになる・・電球とかスピーカーとか、電ノコとか・・
これを負荷抵抗としてRLで記載してある。
で、これらが「直列」に電線でつながって初めて「回路」が出来上がるわけだ・・
さて、すでに電圧が出ている(電池なら常に、アンプなら何か音を出して・・)なら回路がつながった瞬間動作を始める。
オーディオの話題なので、アンプとスピーカーの話に絞ろう・・
8Ωのスピーカーに8Vの電圧が掛かったとする・・
E=IRという計算式の中で現在不明なのは電流値・・スピーカーの抵抗(まぁインピーダンスだけどやっつけね)は8Ωで分かっている。電圧はさっき8Vと言ったからね・・これはアンプが作り出す。
すると不明の電流を求めるため式を変形して
I=E/R
で、
I=8V/8Ω=1A
と、1アンペアの電流だ・・
んで、さっきのワットの話と計算式を適用すると、
W=EI=8V*1A=8W
せっかく電気の基本公式まで出したのだからこっちを組み込むと
W=EI=(IR)*I=I^2R
「^2」の部分は二乗のことね・・
この計算式で再度計算すると
W=I^2R=(1A*1A)*8Ω=8W
計算式アレルギーの人、メンゴ!
さて、このR(つまりスピーカーのインピーダンスが表に出てきた計算式で再度カーオーディオの4Ωスピーカーならどうなるか計算してみませふ・・
アンプの電圧は同じ8V。
まず、同じ条件で電流はどうなるか計算。
I=E/R=8V/4Ω=2A
アンプの動作条件が同じなら2倍の電流が流れたね。
で、出力を計算
W=I^2R=2A*2A*4Ω=16W
どうだ!倍になったぞ!
と、これがスピーカーをパラ接続したときにも起こる。
で、最初に言ったね・・アンプの電圧を稼げなかった頃、手っ取り早くカタログ上の出力を上げる良い方法がスピーカーのインピーダンスを下げることだったのだな・・
この計算式で気がつくと思うのだけど・・電流が倍になっている・・
これが非常に厄介な問題を引き起こすのだが・・長くなったので続く・・・^^;;
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まじめまして。
非常に勉強になります。
私は子供の頃から機械や電気に興味があり、特に自動車とオーディオに強い興味があります。自称オーディオマニアの30歳です。
しかし、その一方で、ただ純粋に好きな音楽を良い音で楽しみたいと考えており、ちまたのハイエンドオーディオ機器はあきらかに割高で、CDプレーヤーで100万円越えとか、インチキなダイエット食品と同じような胡散臭ささえ覚えています。オーディア雑誌も電気や音響工学の様な技術的な記述はなく、ただ評論家が抽象的な単語を並べ立てているだけで、読んでもおもしろくもなんともありません。
そこで、最近は業務用機器を自宅で音楽観賞用に用いようと考えるようになりました。
前置きが長くなりましたが、このダンピングファクターに関する投稿を読んでて自分なりにある考えが浮かびました。
つまりスピーカーケーブルというのは抵抗値が全てであり それ以上でも以下でも無い。導体抵抗のより低い電線、つまりスケアサイズの太い電線が良く、極端な事を言えば自動車のバッテリーターミナルに接続されているような極太の電線が良い。まして何万円もするケーブルなど全くの無意味ですな、と。
アンプから受ける音楽信号が止まっても、スピーカーは惰性で振動を継続し、ソースに無い余分な音を発し、その際スピーカーは発電機のように電気を発生させますが、通常の発電機が、接続されている電気機器の消費電力が大きい方が、発電機の回転抵抗が大きくなり(ハイブリッド車や電車の回生ブレーキのように)、よりエンジンの馬力を消費するのと同じ原理で、スピーカーを発電機に見立てた場合、アンプは負荷側になりますから、ダンピングファクターの高いアンプというのはアンプ側の内部抵抗が低いアンプだということですので、その経路である電線も少しでも抵抗が低いほうが有利。ですのでオーディオ用に販売されているムダに高価な電線より、建築用や自動車用ワイヤーハーネスの様な安くて太い電線がベストな選択なんじゃ?と考えていますがいかがでしょうか。
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たびたび失礼します。もっと早く出会っていれば良かったと思える知的好奇心をくすぐるテーマばかりのブログです。
カーオーディオ用スピーカーは、12V電源という環境的な制約のなかで出力を稼ぐ為に4Ωであることは、以前からなんとなくわかってはいましたが、一方で疑問もありました。
例えば、自動車用が4Ωである一方で、学校や商業施設、ビルなどの放送用スピーカーは長距離配線しても電線の抵抗の影響を受けにくいようにするため?(合ってますか?)にマッチングトランスを用いて極端に高いインピーダンスが採用されているように思います。
そして、ハイエンドオーディオ用やEVやヤマハ等のSRスピーカーやスタジオモニターは8Ωです。
まぁ用途によって最適なインピーダンスがあるんだと思いますが、以上のカーオーディオの低いインピーダンスと、長距離配線に有利なハイインピーダンスを考えると、じゃ単純に音質に有利なスピーカーは何Ω?なぜ、オーディオ用やモニター用は8Ωなのか?という疑問です。
長距離配線しないのであれば、低いインピーダンスの方が音質には有利なんだとか聞いたこともありますが、それならなぜ、ハイエンドやプロ用スピーカーが4Ωにならないのか?と新たな疑問が浮かび上がって眠れなくなるのです。。。笑
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haruki様
長いことこのブログを放ったらかしにしてしまっていたので、御返事が遅くなて恐縮です。
ケーブルに関する解釈は半分あってますがさらなる秘密がケーブルにはあります。
と言ってもハイエンドマニアの言うようなことではなく、交流伝送には表皮効果がつきまというということです。
つまり、高い周波数ほど表面のみを流れるという現象ですね。
よって、高い周波数ほど太い電線は効率が悪くなります。
とは言っても、お考えの基本はあっていますので、太線による撚り線という考え・・も一考の価値はあると思います。扱いにくいですけど・・
あと、8Ω前後にインピーダンスが落ち着いたのは、振動体としてのコイルの質量とダンピングファクターとの兼ね合いからのバランス点を求めた結果と聞いています。
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> たびたび失礼します。もっと早く出会っていれば良かったと思える知的好奇心をくすぐるテーマばかりのブログです。
> カーオーディオ用スピーカーは、12V電源という環境的な制約のなかで出力を稼ぐ為に4Ωであることは、以前からなんとなくわかってはいましたが、一方で疑問もありました。
> 例えば、自動車用が4Ωである一方で、学校や商業施設、ビルなどの放送用スピーカーは長距離配線しても電線の抵抗の影響を受けにくいようにするため?(合ってますか?)にマッチングトランスを用いて極端に高いインピーダンスが採用されているように思います。
> そして、ハイエンドオーディオ用やEVやヤマハ等のSRスピーカーやスタジオモニターは8Ωです。
> まぁ用途によって最適なインピーダンスがあるんだと思いますが、以上のカーオーディオの低いインピーダンスと、長距離配線に有利なハイインピーダンスを考えると、じゃ単純に音質に有利なスピーカーは何Ω?なぜ、オーディオ用やモニター用は8Ωなのか?という疑問です。
> 長距離配線しないのであれば、低いインピーダンスの方が音質には有利なんだとか聞いたこともありますが、それならなぜ、ハイエンドやプロ用スピーカーが4Ωにならないのか?と新たな疑問が浮かび上がって眠れなくなるのです。。。笑