2014年10月8日水曜日

ちなみに

 さて、先般、クラシック系のイベントで行ったアプローチ法を紹介しよう。

 このイベントは会場=ビアホール、ジャンル、ギターデュオとパーカッションアンサンブルを含むクラシック系のイベント。
 飲食可で有ることもあり、SRが必要と判断した。ギターデュオとパーカッションの合同演奏もあるし・・

 パーカッションはドラムキットのタムをボンゴに、フロアータムをジャンベに、スネア代わりにコンガ。キック代わりにカホン。

 まぁ、マイクアレンジは人それぞれかと思うので、詳述はしない。

 問題は会場の使い方を横広がりにしたこと。

 会場のサイズは10×20メートルくらい・・タッパは5メートルくらいの会場。
 エントランスは別途付属して結構メイン会場とは結合しているタイプ。

 湖に面しているので、長径方向はガラス。
 短径部もガラス・・っと、かなり反射も共鳴もきついタイプの会場。

 さて、最初は長径方向にステージ・客席を配する通常のスタイルを考えた・・

 が、今回殆ど音響予算はない。

 使えるスピーカーは、某成田の商社の扱っている安価なプラスチック筐体の、NEXOをパクったようなホーンのものか、SX-200。

 どちらにしても10メートル程度までは使えるが、それ以上はプレッシャー、ベロシティスレッショルドに引っかかる。
 今回のような残響、反射ともにきつい会場では往生する。
 それ以上に生音がへたるのよね・・

 で、ステージを短径方向にすることを考えた。

 この場合、横広がりの客席構造になるので、まず、ステレオイメージの問題、聞こえない楽器が出る可能性の問題がつきまとう。

 で、管理人は考えた。

 そもそも、人は自分が見ている状況からすべてを規制されている。
 つまり、自分が座っている位置から見える楽器が聞こえることが第一。見えない楽器についての意見はあまりない。

 難儀してステレオにしても短径方向にステージを持ってくる関係から十分な効果は得られないし、ただでさえ狭い短径方向に、ステージとミュージシャンを配し、更にその前にハウススピーカーなど言語道断という状況。

 で、作戦。

 ライティングも使いたいので、バックサスは如何っすか?とばかりに演奏者の直後ろに足場を2段組むことに。

 そいつの上天板にスピーカーを置くことにしたのだ。

 ただしセンター。

 なぜにセンター?

 以前にも書いたが、人間は視覚に縛られる率が非常に高い。

 よって、演奏者よりも後ろにあるスピーカーの出す音は、それ以前に出た演奏者の生音に縛られる。
 よって、モノ出しでも演奏者の実立ち位置にリスナーは定位を感じる。
 つまり、ステレオである必要はない。

 ただし、反射のきついガラス面を避ける意味でも下向きの角度が極めて重要。

 横長径方向にも、SXの3台位を使えれば十分にカバー可能・・

 結果は大成功。

 肝はナチュラルディレイを使うこと。

 確かにハウリングマージン的には厳しいものがあるが、結構皆さんだってハウスのスピーカー前で喋ったりすることを考えれば何ほどのことはない・・

 誰もスピーカーを意識することはなかったしモニターも兼用できてしまう・・
 営業施設内でのイベントだったので、仕込時間も厳しいものがあったし、その制約の中で、モニターも減らしたかったし、結局ミュージシャンが聞いている音をリスナーにも届けようと言う作戦なのだ。
 結構音圧は稼げていたわりに、スピーカー臭さは無い。演奏者も概ね好評。
 全くNoSRだったクラリネット組は、観客の多さに音が吸われてきつかったとの話・・
 これは本人たちに気が付かれないようなSRを次回は工夫することにしようと考えた。これも腹案はあり・・

 まぁどこかでだまされたと思って使っていただければ幸い。

1 件のコメント:

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    このときの本線系(ミキサーから後のこと)は、EQ1ch、アンプ2台(3台のスピーカーのため、ステレオアンプがと言うこと)、スピーカーSX3台。
    実にシンプルでしょ?コロガシもなし。サイドフィルもなし。ハウスがすべてを兼ねる・・と言う奴。
    ただし、足場の上で安全に下向き角度を付けるために苦労した・・って、これは地元の仲間にお願いしたんだけど・・
    今回はスピーカーの上にアイボルトを取り付け、ラッシングで天板に固定。下にスペーサーを噛ませたんだけど、なかなか安定しなくて苦労したみたい。
    次回までに専用の角度調整用の足を作っておくかな・・

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