さて、先般幕張メッセで開催されたInterBEE(国際放送機器展)に、お邪魔した。
運営委員を務めるFBSR会技術研修会の案内を持って各社さんにお願いする仕事も有ったし、最近の音響機材の状況を把握しておきたいと言うのもあったからね・・
で、デジタルものは概ね予想内。
驚いたのは業界再編が進んでいること・・何と我が小屋のメインスピーカーであるNEXOがY社扱いになっていた・・AKGもH社になっていたし、STUDERもH社・・
また、Y社ブースではR社にいたH君も転職していたみたいだし、F社のS社長もY社の中のブースにいた・・
まぁ、伏せ字だらけの文章を見せられても何にも面白くないとは思うんだけど・・各社並びにご本人の了解無しには公開は失礼だしなぁ・・と言っても、分かる人には分かるんだけどね・・
と、そんなことを言いたかったわけではない・・
デジタル化が一気に進んでいる背景には、部品点数を少なくして、コストダウンを計りたいと言うメーカーの思惑が有る・・
一ヶ数百円とは言えポッドもスイッチもコネクターも、大型アナログ卓の規模となると恐ろしいほどのコストになる・・こればかりは回路の工夫とか生産技術の工夫ではコストダウンを計れないからさ・・
また、組立工数も人手のかかる部分だよね・・
で、フェーダーと最低限のコネクター、プッシュスイッチ以外は無くしたい・・と言う思いがあのデジタル卓ののぺっ!っとしたサーフェースに繋がるわけだ・・さらにタッチパネル付きのディスプレイならもっとシンプルになる・・などと考える所も当然出てくる・・
しかし・・如何にデジタル化してシンプルにしようとも、フェーダーまで取ってしまおうとは流石にどのメーカーもまだやっていない・・
これをやったら・・おそらく暴動もんじゃないか・・と、管理人なんかは思うんだが・・
47インチの液晶ディスプレイも安価に入手できるし、卓のサーフェース全部タッチディスプレイにしてしまえば・・などと妄想している技術者もいるんだろうな・・きっと・・
さて、そんな中、FBSR会の運営委員の何人かと会場でフェーダー専業メーカーさんのブースを訪れた。各種のアナログフェーダーとモーターフェーダーが展示して有り、手に取って触れることで感触をチェックすることが出来た・・
いや!、皆さん・・管理人はここに業界の良心を見たね・・
官能的なほどのフィーリングと、モーターフェーダーでさえコアレスモーターを採用することで絶品の感触に仕上げてくれた。
もちろん、従来のDCモーターを使用することでの段付き感の有るものも展示はしていたけれどね・・
60mmストロークのものは普通コストを抑える意味からも感触の良くないものが多かったりするんだが、ここのは良い!
既存の卓メーカーの全てに、ここのフェーダーをオプション指定できるようにしてもらいたいと思ったほど・・
音の仕事って、きわめて皮膚感覚的だとは、以前にも書いた気が・・気のせいか??
まず、音を表す用語がきわめて触覚的だよね?ざらざらしたとかさ・・
感覚器官の発達史からも耳は触覚の変形発展したものだと言われている。
ということは、耳感度の高い人は、皮膚感覚にもうるさいと言えそうだ。
だから、フェーダーマニアがいるんだよね・・
P&Gのフェーダーが初めて日本に紹介されて30年ほどになるかと思う。
当初、コーヒーやコーラをこぼしてもばらして洗えば復帰するとか、その頑健さが売り物だったが、最終的には安定した感触の良さが評価されたと思う。
その後日本でもプラスティックフェーダーなどが開発され、品質が良くなったことは諸兄のご存知の通り。
しかし、デジタル化に伴うコスト圧縮の号令一下・・その基本が忘却されようとしていると感じるのは管理人だけかねぇ・・
ある種のそういう諦観の元の出会いだったので、えらく感激したわけだ・・
「いや~こんなに滑らかなモーターフェーダーは反則だよ!由緒正しいモーターフェーダーはぎくぎく動かないと!・・邪なモーターフェーダーだ!」などと、ついつい仲間内で盛り上がってしまった・・
あれほどの地味な製品を良心的に作り続けている東京光音さん!おそらく、まじめな方たちばかりであろうに、皮肉たっぷりなギャグで大盛り上がりしてしまって申し訳有りませんでした!この場を借りてお詫び申し上げます。よろしければFBSR会技術研修会の場でリベンジを!^^;;
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